陣場台熱球録 web版 その54


昭和3年、全国大会へ連続出場

 前年の活躍で選手たちには自信がみなぎっていた。前年夏の活躍もあり「全国制覇」を口にする関係者も現れた。選手たちも初心に返り、さらなる基本練習に励んだ。

この年の春には前年夏の活躍が認められて、第5回春の選抜大会に選抜されながら諸般の事情で辞退しただけに選手はなんとしても全国大会で活躍したいと考えていた。

 昭和3年(1928)7月28日、東北大会は仙台体育協会球場で挙行された。福中選手の奮闘はめざましく、圧倒的な強さで東北代表を勝ち取ったのである。

1回戦 10−0福島師範(7回コールドゲーム)

2回戦  7−1仙台工業

3回戦  6−0仙台一中

準決勝  7−0福島中学

決勝   3−0仙台二中

 この大会でも、戸来投手の腕は冴えわたり5試合で63個の三振を奪い失点1(自責点無し)という快投だった。特に決勝戦の仙台二中戦では17個の三振を奪い四死球は1個も与えない投球を見せ、全国制覇に期待を抱かせたのである。

 全国大会は各地の代表校22校が参加して8月12日から行われた。

一回戦では9−4で神奈川商工を降した。試合は4回表、戸来投手が突然の乱調となりヒット2本と四球で満塁となったところで死球を与えて1点、次打者は三振に打ち取ったが続く打者に右翼線へ二塁打を与え3点を与え劣勢の試合展開だった。対する福中は、4回から1点、4点、1点、1点、2点と得点し合計9点を奪った。戸来投手も立ち直り、合計16個の三振を奪う投球だった。

  二回戦は8月16日午前9時から平安中学との間で行われた。この試合は6失策と守備が乱れた。戸来投手も四死球を4個与えそれらが得点に結びついた。福中打線も平安中学・伊藤投手に12個の三振を喫した。本来であれば大量点を与えてもおかしくない状況で、0−2の接戦に持ち込んだのは戸来投手の非凡さと福中選手の自力に他ならない。

 





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