工芸志料 会津塗   

平凡社から出版されている工芸志料は、太古から明治初年にいたる日本工芸の歩みを,膨大な古文献を渉猟駆使して叙述する名著。

類書のない貴重な史料集として,またユニークな通史として,本書は今なお不朽の名声を保っている。

その中の会津塗の記述は興味深い。

・・・工芸志料328ページ・・・
○会津塗は岩代国会津郡若松町に於いて製する所のものなり。天正十八年蒲生氏郷、会津の領主となる。氏郷漆工に命じて、創めて南部椀に模擬して以て漆器を製しむ。是を会津塗といい、其の椀を会津塗といい、其の椀を薄椀と云い、其の盆を薄盆と云う。其の中に或いは抹金の描画を少しく施して、製を南部塗と異にせる者なり。

 この記述を素直に読めば、蒲生氏郷が天正時代に二戸地方の職人を会津に連れ帰ったという伝承も、全く可能性が無くはないような気がする。

 明治期でも、浄法寺地方では若松塗と称して雑器を製作していたような記録がある。太古から、漆の流通ネットワークがあったのかもしれない。


(画像;浄法寺椀
 


戻  る

国産漆 浄法寺漆チューブ 生漆20グラム  手仕事の日本