台湾の帰属 2

台湾や朝鮮は、大東亜戦争の当時は日本の領土でした。戦争の終結を、多くの日本人は昭和20(1945年)815日のだと思っています。しかし法的には戦争の終結は昭和27(1952年)428日のサンフランシスコ講話条約の発効の日です。

昭和20815日の終戦から講和条約までの7年間、台湾は支那大陸にあった「中華民国」を名乗る国民党が占領統治していました。日本本土を米軍が占領統治したのとおなじようなものです。

日本は、サンフランシスコ講和条約によって独立を果たします。そのサンフランシスコ講和条約に、台湾の処遇のことが書かれています。台湾の処分については、連合国に一任するという趣旨です。

その意味するところは、台湾の主権先が決まるまで日本は台湾への主権を留保するということになります。つまり、国際法上では実は日本の一部のままなのです。

ところが日本が降伏すると、連合国の代表として当時支那大陸を追われた蒋介石政権がやってきます。そこで彼が何をしたかというと、台湾に「戒厳令」を敷きました。

「戒厳令」というのは、あらゆる法の執行を停止して、すべてを軍の支配下に置く、というものです。蒋介石のこの「戒厳令」には、国際法上の根拠がありません。戒厳の名を借りた明らかに国際法を逸脱した暴力行為です。

つまり台湾は、連合国に軍事占領されていながら、内戦の敗者が逃げ込んでくるという、世界史的にみて「きわめてめずらしく間抜けな状態」に置かれたわけです。

普通は、戦争に勝った国が敗けた国を軍事占領するのです。ところが、そもそも日本と戦って負け続けた国民党が、今度は自国内にいる別な政権にも負けて国土を奪われてしまったわけです。

連合国の末席を汚していた国が、日本国の一部である台湾を占領し、内戦に敗けた国の本体のままで亡命してきてしまったわけです。普通ならありえないことです。それを認めた連合国のいい加減さが分ります。

サンフランシスコ講和条約の時点で、台湾はおかしなことになりました。サンフランシスコ講和条約によって、戦争は正式に終わったのです。戦争が終わったということは、台湾の軍事占領は解かれなくてはなりません。つまり、台湾に国民党軍がいることができる法的根拠が、この時点で消滅しています。

本来であれば、この時点で蒋介石率いる国民党は、台湾から引揚げなければならないのです。ところが蒋介石には帰るところがないという間抜けな状態になります。反共産主義で日本と手を組んでいれば、大陸に中華民国が残ったはずです。

当然、台湾内部からも反発が起こりました。それで蒋介石は「戒厳令」を敷いたのです。

この「戒厳令」は、昭和62(1987)年7月15日まで、なんと35年間も続きました。35年間です。こんなに長い戒厳令も世界に類例がありません。蒋介石は、すでに占領権のなくなった台湾を、暴力行為によって占拠し続けたのです。

この間に、日本政府は中華人民共和国という共産党の一党独裁国家との国交正常化を行いました。昭和47(1972)年のことです。9月29日に締結された「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」には、次のように書かれています。

=========

2 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

3 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。

=========

この声明をもって、「日本は台湾を中共政府の領有であると認めた」などと書いている人もいるようですが、全然違います。しかし文を読んだらわかります。

日本が承認したのは、「中華人民共和国を支那大陸の合法政権であると認めます」ということだけです。

台湾については、「中華人民共和国が自国の領土だと意思表明した」というだけで、台湾の領土主権者が中共政府であると認めたことにはなっていません。

なぜなら日本は、認めることができないのです。どういうことかというと、日中共同声明以前にサンフランシスコ講和条約があるからです。

そこでは台湾の領土主権者は、連合国の判断に委ねるとしています。連合国に委ねたのに、委任主が勝手に他と契約したら契約違反です。

要するに日中共同声明の時点で、日本が中華人民共和国政府を台湾の領土主権者であると認めたら、それはサンフランシスコ講和条約違反の行為となるのです。

日中共同声明によって、日本国政府の台湾国民党政府(中華民国)との国交もなくなりました。日本は台湾を「国」として承認していないのです。「国」でないなら、「国交」もありません。

占領は、その国の主権を奪うものではありません。その国を一時的に統制するものです。

占領統治中、その国の主権がどこにあるかといえば、その国を代表する政府があれば、その政府が、なければ、その国の国民が主権者となります。

いまの台湾は複雑です。台湾の主たる言語は、台湾語(福建語)ですが、標準語は国民党政府の北京語となっています。福建語も北京語も、たいした違いがないのではないかと思う人がいるかもしれません。

けれどその違いは、英語とフランス語くらいの違いがあります。そして9部族の共通語は、日本語のままです。

現在、台湾を中共とは別な国家として承認している国は、ソロモン、マーシャル、パラオ、キリバスなど、かつて日本領だった諸国と、平和を願うバチカンなどだけです。

法的には未だに日本領である台湾を日本として承認するべきです。

 



目次に戻る


韓中衰栄と武士道  今こそ、韓国に謝ろう
  いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人